コラム詳細_睡眠_02

「ビジネスパーソンと睡眠を考える」

vol.2 日中の仮眠(パワーナップ)と
    入眠前の「明るさ」で快眠を手に入れよう

春眠暁を覚えずと、つい寝過ごしたくなる季節になりました。春の夜は寝心地がよいと言われていますが、より質の高い睡眠が取れれば、日中のパフォーマンスの向上につながります。
前回、質の高い睡眠を実現するための3つのポイントについてお伝えしましたが、今回は、特に日中のパワーナップ(仮眠)と、入眠前の「明るさ(暗さ)」の整え方についてお伝えします。

1. 効果的な仮眠(パワーナップ)を取ろう
人間は起床後6~7時間後に眠気のピークが来るメカニズムを持っています。ランチの後など抗いきれない睡魔に襲われたり、ぼんやりするのは、身体からの自然な欲求。無理せず短い仮眠を取るほうが午後の生産性を向上につながります。ただし、以下の点に気をつけることが大切です。

・仮眠は14時まで、20分程度と心得る
 20分程度の軽い睡眠であれば、深い睡眠に入らず、すぐに活動を再開できます。それ以上寝てしまうと最も深いノンレム睡眠(深睡眠)に入って目覚めが悪くなり、眠気が残る可能性も。また、14時以降の仮眠は夜の睡眠要求を一時的に満たしてしまい夜更かしの原因になるので仮眠はせずにその日は早めに寝てください。

・仮眠の姿勢は「心臓より頭を上」に
 仮眠のときは横になってはいけません。本睡眠と同じ姿勢で寝てしまうと身体が深く眠ると勘違いしてしまうからです。首の力が抜けるように、できれば、ソファやリクライニングチェアなど寄りかかれてリラックスできる体勢がベストですが、できない場合は昼寝用枕(本や丸めたタオルでも可)やクッションで頭を固定し腕の重みを分散させて。

・カフェインを活用する
 カフェインは摂取してから30分以降に効果を発揮するため、仮眠前に飲んでおくと起きた後よりクリアな状態で活動することができます。コーヒーも紅茶もストレートである必要はありません、お好みの飲み方で。

2. 入眠前の明るさを整える
睡眠の質を左右する重要な要素のひとつが寝る前の「明るさ」。眠りに導くホルモン、メラトニンは光で抑制されます。明るい環境では体は眠る準備を整えられないのです。夜は少し薄暗いくらいの中で過ごしてください。光の刺激を抑えることで、スムーズな入眠と深い眠りを促進できます。

・照明を落とし、暗めの環境を作る
 就寝1時間前から間接照明や暖色系の光に。雰囲気のよいホテルやレストランくらいの明るすぎない環境を整えましょう。寝室はもちろん、リビング、浴室も同様です。調光機能付きの間接照明を活用して心地よく過ごせる明るさ(暗さ)を見つけてください。

・ナイトライトを活用する
 夜中にお手洗いへ行く際も、急に強い光を浴びると覚醒してしまいます。移動は足元を照らす程度のナイトライトや暗めの人感センサーライトの設置を。

・カーテンで外の光も遮る
 眠るときは完全に真っ暗にすることが望ましく、できれば常夜灯(豆電球)も使用しないほうがよいです。遮光カーテンで街灯や早朝の日差しが入らないようにするのも睡眠の質の向上に役立ちます。

快適な睡眠は、心と体にとって重要なメンテナンスです。上手に仮眠を取り、夜の明るさを調整することで、春になり日の出の時間が早くなるこの時期のコンディションをワンランク上げていきましょう!