トヨタ関係企業の事例_人事考課

トヨタ関係企業の事例

コンサルティングによるソリューション


■グラスティが考える人事考課コンサルティングの考え方

「人事考課」とは
 人事評価の主たる目的は育成による、組織力の向上であり
 賃金(賞与・昇給)を決めるためだけのツールではないと考えています。

人事考課の目的

 ①人材育成の促進
  求める人物像(価値観)や対象者が属する等級水準の充足状況を確認し、育成を促進する
 ②適正な処遇の実現
  統一のルールをもって働き(結果とプロセス)を評価し、適正な処遇を実現する
 ③組織力の向上
  上記の結果、個々の能力向上 → パフォーマンス向上により、組織目的の実現を推進する

人事考課の目的が、人材育成、組織力向上のツールだからこそ
  1 評価者の人事考課の目線を合わせていく
  2 人事考課を育成に活かす
  3 人事考課を活かして、組織力を向上する を支援する、コンサルティングを行っています。

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(人事考課の基本)
人事考課制度にもよりますが、成果評価とプロセス評価の両面から人事考課を実施しています。とくに、プロセス考課を行う上で、3つの選択を行い、人事考課を行っていきます。
(1)行動の選択
  仕事上の行動に関する事実を評価します。
  評価対象は、仕事上の行動に限定されます(部下の私的な行動は評価の対象と考えません)。また、その仕事上の行動は、決定された半年なり1年なりの考課対象期間内に限定されます。
  自分の部下の仕事上の行動をみて、備忘録などメモを残していく事が必要です。

(2)要素(評価項目)の選択
  部下の行動や事実をどのような要素を選択して、評価していくのかが求められます。
  評価シートにある、プロセス考課項目の評価項目に照らし考えていきます。
  そのためにも、要素(評価項目)の定義を理解していく事が求められます。

(3)段階の選択
  評価で注意しなければならないのは、評価尺度上の中心(例えば5段評価の3)「期待通り」の概念です。
  「期待通り」は標準レベル、つまり「普通」であるということです。「普通にできていて3」を基準に考えてください。

1 人事考課の目線合わせ コンサルティング
   1)考課者研修の実施
   2)すり合わせ会議の実施

 1)考課者研修の実施
   各社の人事制度と人事制度浸透の現状に合わせて、カスタマイズして、設計・実施していきいます
   各社の評価項目、評価シートの十分な確認のもと、設計していきます

  ①人事考課の基本を学ぶ (考課者研修の第1回目に実施)
   ◆考課者研修の狙い
    ・管理職にとって、人事制度、人事考課制度の重要性について知る
    ・「人事考課」をする、基本を学ぶ (ショートケース シンジョウ君のケースを通じて3つの選択の理解促進)
    ・評価項目についての理解を深め、評価と育成の関係の理解を深める
    ・評価を育成に活かしていく、面談の進め方を学ぶ

   ◆プログラム例

  ②考課者の目線を合わせる (実際の評価を使って、目線を合わせる)
   ◆考課者研修の狙い
    ・上半期(もしくは下半期)の取組を、自社の評価シートで、仮評価したものを活用して、評価の目線を合わせていく
    ・グループディスカッションを通じて、グループメンバーが評価したものを通じて、レベル合わせを行うとともに、自分の評価の癖をつかむ
    ・面談の実施方法について学ぶ

   ◆実施時期
    ・上半期(もしくは下半期)の評価開始の1か月前程度の時期に (9月初旬、もしくは、2月末)
    ・実施に、1日かけて行う

   ◆プログラム例

 2)すり合わせ会議の実施  
  実際に1次評価を実施した後に、評価したものを、コース、等級ごとに、評価についてすり合わせを行う

   ◆すり合わせ会議の目的
    ・部門(店舗)ごとに管理者(店長)が評価したものの調整を行う
     → 管理者それぞれの「あま」「から」の評価を、調整し、納得感の高い評価とする
    ・人事制度における、管理者(店長)の評価項目の考え方のすり合わせを行う
     → 管理者それぞれのもつ「評価項目の基準」について、すり合わせ、管理職の評価眼を高める
    ・どんな成果、どんな行動を、どう評価するか、共有する
     → 具体的な成果や行動をもとに、どのレベルで評価するかを共有し、具体的なフィードバックに繋げる

   ◆実施方法
    ・一次評価終了後 (一般的に、上期評価であれば11月初旬、下期評価であれば5月上旬あたり)
    ・コースごと(例えば、営業、サービス、本部など)の管理職を夫々全員を集めて実施
    ・ほぼ1日かけて実施

   ◆すり合わせ会議の進め方
    ・参加者 : 一次評価者 + 部門長(二次評価者)
    ・下記のような、表を、コース(営業、サービスなど)ごと、等級ごとに、作成して、参加者に配布

    ・各コース、各等級のスタッフシートをもとに、ディスカッション (質問→評価者した方からの説明)
     → プロセス評価項目の評価項目の評価点をみて、高い、低い理由について確認
       質問された管理職は、どのような行動、事実があって、プロセス評価項目の評価点の説明を行う
     → 説明を受け、この評価は妥当か  などについて、議論
    ・評価の変更が必要であれば、再提出の期日を決めて、見直したものを提出するようにしていく

2 人事考課を育成に活かす コンサルティング
   1)フィードバック面談の実施 支援
   2)人事制度を基盤に、人材育成体系つくり 支援

 1)フィードバック面談の実施 支援
   ◆目的
    ・面接が、人事考課を育成に活かすための、重要な取組であることを学ぶ
    ・育成につなげるための、事前面談、フィードバック面談の流れについて実践できるようになる
    ・実際に面談を実施して、困ったことなどを共有し、全社で面談を実施できるようになる

   ◆実施方法
    ・考課者研修の中に、面談の進め方についてのセッションを設ける
    ・研修の中でレクチャーだけでなく、面談ストーリーシートを作成して、面談の流れを具体的に作成する
    ・フィードバック面談終了のタイミングで(例えば、12月初旬、6月下旬など)管理職にアンケートを取り、面談の実態、面談で困っていることなどの情報を集め、面談の実態や困っている事、疑問等に、次の考課者研修で、応えていく

 2)人事考課を基盤に、人材育成体系つくり
   求める人材像つくりに向けて、どのコース、どの等級、どの役割の人材に対して、どんな力を付けてもらいたいのかを整理したうえで、人材体系の全体像を作成したうえで、必要な研修やワークショップなどを企画し、実行していく

   ◆育成体系つくりのポイント
   (中長期) 
    ①求める人材像(理念、ビジョンに基づく)の整理、明確化
     → 人事制度の設計、評価制度の設計時に作成しているケースが多い
    ②人材育成方針の立案
     → 求める人材像つくりに向けて、重点育成・強化テーマなどを整理
    ③人材育成体系の設計
     → コース・等級別を基本に、育成体系を作成
   (短期)
    ①基盤となる、研修の設計
    ②現状とくに優先順位の高い研修の設計
    ③年間の実施計画の作成 (いつ、だれを対象に実施するか 年間スケジュールの作成)
    ④個別の施策内容や、事前課題や事後フォローのあり方を設計する

3 人事考課を活かして、組織力を向上する コンサルティング
   1)個人目標(特に定性目標)の設定支援
   2)組織内コミュニケーション力強化

 1)個人目標(特に定性目標)の設定支援
   ◆狙い
    ・会社方針を理解し、その方針実現にむけて、目標が設定を行う
    ・同じコース、等級のメンバーの目標設定のレベルのすり合わせを行う

   ◆実施時期
    ・年度の始まる前(3月)、もしくは年度初め(4月)に実施
    ・事前課題があるため、年度の会社方針を決めていただいた後の実施となる

   ◆プログラム例


    ・事前課題①部門(店舗)取組み課題
     経営方針との繋がりと、自店舗の強み弱みから、店舗の重点取組課題の整理
    ・事前課題②個人目標設定
     部門(店舗)の取組み課題と、個人に与える仕事を繋げたうえで、個人目標を設定する
    ・事前課題③個人参考シート
     メンバーのこれまでのキャリア強み弱み、期待などを整理

  2)組織内コミュニケーション力強化
    → 研修の「コミュニケーション力強化」をご覧ください

INDEX
<事例1>トヨタ販売店C社「新人事制度改革に取り組み、考課者研修を通じて、求められる人材つくりの基盤をつくる」

トヨタ販売店C社(従業員数)600人

■概要

新人事制度の導入後、求める人材像つくりに向けて、考課者研修、すり合わせ会議、育成体系の設計などに取組む。

■コンサルティング内容

コンサルティング①
人事考課の目線合わせコンサルティング


1)人事考課の基本を学ぶ (考課者研修の第1回目)を全管理職に、実施。
  実施方法として、店長、サービスマネジャーと2日間に分けて実施。また、本部の管理職は半分に分かれて参加。
2)考課者の目線を合わせる (実際の評価を使って、目線を合わせる)を、年に2回定例化して、実施
 ・半年に1回実施。「評価の仕方」「面談の仕方」を中心に考課者研修を実施
 ・考課者研修の一環として、評価項目の理解を深めていくために、評価項目のディスカッションを行い、どのような行動が求められているのかについて、共有をはかっている。
3)考課者の目線を合わせる すり合わせ会議の実施
 ・年に2回のすり合わせ会議の実施を定例化。
 ・二次評価終了後に、幹部が集まり、すり合わせ会議を実施。理業、サービス、本部とそれぞれのコース毎、さらに等級毎に、「成果点、プロセス点、総合点」を総合点順に並べて、すり合わせと最終評価の決定を行っている。
 ・各部門のすり合わせの際には、二次評価者となる部門長(部長)が参加し、幹部が一人一人の評価で疑問のある点について質問をもらい、部門長に応えていただくようにしている。部門長も、評価の背景を知っておく必要があり、一次評価者と二次評価者との繋がり方が変わってきている。
 ・すり合わせ会議は、現在も続いている。
 ・最初は、大変な時間(数日)をかけて実施していたが、現在ではスタッフ全員を1日で終了できるようになっている。

コンサルティング②
人事考課を育成に活かすコンサルティング


1)フィードバック面談後のアンケートを実施
 ・実施の平均時間、実施場所、上手くいった事、上手くいかなかった事などをアンケートで収集。アンケート結果を整理して、考課者研修で発表することで、全管理職のフィードバック面談実施に繋がっている。

2)人事考課を基盤に、人材育成体系つくり
 ・幹部ミーティングを実施。人事制度における人事考課の意味、求める人材像と評価項目、人事考課制度運用に向けが幹部の役割のレクチャーを行う。人事考課を人材育成に活かしていくうえで、幹部の果たす役割についてディスカッションを行い、幹部の役割を明らかにした。

3)人事制度から生まれた各種研修 
 ◆新任管理職研修
 これまで、新任管理職研修はTMCの新任研修だけだったが、自社の目指す姿に向けて、管理職として求められることを学ぶための新任管理職研修を新たに設計。自社の目指す姿について改めて共有、人事制度と人事考課、人材育成を中心とした研修を実施。
 ◆企画力研修
 本部スタッフでは、ルーティン業務中心の業務スタッフと、企画を立案実行する総合企画スタッフとに分かれており、等級にも違いを持たせた。総合企画スタッフになるために、業務スタッフが学ぶ場として、企画力向上研修をつくり、業務スタッフが手を挙げて受講できるようにした(自己成長の一環でもある)。また、研修終了後に企画の課題を出していただき、その評価を総合企画への移動の参考とすることにした。
 ◆女性活躍支援研修
 自社の目指す姿を考えたときに、フロアスタッフの活躍が求められることに。そこで、フロアアスタッフが自身のキャリアを考え、自分自身の学びを推進するためのワークショップを実施。EQによる自分自身の特徴を掴み、フロアスタッフとしてCSや業務改善に取組むためのヒントを共有するなど、今までにない女性だけのワークショップを実施。


コンサルティング③
組織力向上コンサルティング

1)個人目標(特に定性目標)の設定研修の実施
 ・店長と本部管理職を対象に実施
 ・事前課題①「部門(店舗)取組み課題」と事前課題②個人目標設定」を事前に記入することで、会社方針と自店舗の重点課題の整理ができたとの意見が多数でてきた

■結果

店長、管理職の評価の目線が、徐々にあってきている
・ES調査での特に問題となっていた、評価について、特に若手スタッフからはしっかりと評価してもらって、良いところは良い、悪いところは指摘していただき指導してもらう事で、自分の力が付き始めたというコメントが出てきている。全体的に。評価に対しての信頼感が出始めている。
・今まで学んだ事が無かったことを学ぶ機会ができて、自己成長を実感できる人財も現れてきている。また、新任管理職は、管理職として何をしなければいけないかを学ぶことができ、「知らない事で生まれる不安」がなくなった。
・定性目標の設定が、より具体的になってきている