「ビジネスパーソンと睡眠を考える」
vol.0 睡眠の重要性
近年、多くの著名な経営者や世界的に活躍するスポーツ選手が、睡眠の重要性に目を向けています。1日の約3分の1から4分の1を占める生命活動である「睡眠」を、どう捉えるが重要です。睡眠は、技術。すべての人が持っている自分の心と体を守る武器です。このコラムでは、ビジネスパーソンの皆さんのパフォーマンスを上げるのに役立つ睡眠に関する情報をお届けします。一緒に睡眠技術を磨いていきましょう。
日本人の睡眠状況と働き方の変化
残念ながら、日本人の睡眠事情は芳しくありません。2018年のOECD加盟国の調査では、日本は17か国中で最短の睡眠時間を記録。また、「睡眠による休養を十分に取れていない」と評価する人の割合は、過去10年で増加の一途をたどっています(健康日本21(第二次)最終評価、2022年)。
テレワークの普及に伴い、仕事とプライベートの境界が曖昧になることで生活リズムが崩れ、さらにハイブリッドワークや交代制勤務、超過労働なども睡眠不足の要因です。また、オンライン環境が整い、移動中や国内外どこにいても仕事ができるようになり、眠りの時間が削られる状況はますます増えています。SNSやメールのチェック、連絡待ちといった精神的なストレスも、質の良い睡眠を妨げます。
眠れないときの対処法
忙しい日を過ごした後、ようやく布団に入っても頭が冴えてしまい、なかなか眠れないことありますよね。そんな時は、目を閉じたままでいるのもよいですが、思い切って寝床から離れ、眠気が来るのを待つことが有効です。また、朝起きたとき「十分に眠れなかった」とネガティブに考えることは避けましょう。睡眠に対する過度なプレッシャーは、かえって眠りを妨げる原因につながります。
睡眠を戦略的に使う—「なりたい自分」になるために眠ろう
私は、何のために眠るのか、今一度考えてみましょう。単に疲れを取るだけでなく、重要な会議やプレゼンのため、試験や試合に備えるため、または、あの人より若く、こんな人に見られたいなど、「なりたい自分」を具体的に持つ。寝る前には頑張った自分を解放して、また翌日「今日もスタートラインに立った」「よしやるぞ」とポジティブに迎えたい。自分に期待して認め、日々を重ねることは自己肯定感にもつながり、よいパフォーマンスに繋がるのではないでしょうか。
次回以降のコラムでは、ビジネスパーソンが今晩からできる具体的な「睡眠の質を上げる方法」をご紹介します。就寝前のルーティンや理想的な睡眠環境、時差ボケ対策、パワーナップの活用法など、すぐに取り入れられるヒントなどで、あなたのポジティブな睡眠を応援します。